お子さんが入園・入学し「そろそろパートを始めたい」と考えたとき、「年収の壁」を気にする方は少なくありません。実は、目先の手取りだけを意識して働く時間を抑えると、将来の年金や保障が減ってしまうリスクがあります。
年収の壁のポイントと、長い目で見て損をしない働き方の選び方を解説します。
知っておきたい2つの「年収の壁」
年収の壁とは、一定の収入を超えたときに税金や社会保険料の負担が生じるボーダーラインのことです。
大きく分けて「税金の壁」と「社会保険の壁」の2つがあり、ボーダーとなる金額や負担の大きさが異なります。2026年の壁はどうなるか見ていきましょう。
1.税金の壁(所得税)
現在、所得税がかかり始める目安は178万円に引き上げられています。
税金の壁を超えても「働き損」は起こりません。増えた収入の一部にだけ税金がかかる仕組みのため、働いた分だけ手取りも増えていきます。
2.社会保険の壁(健康保険・年金)
ママたちの手取りに大きく影響するのが社会保険の壁です。勤務先の規模、勤務時間数、年収など条件が枝分かれする点で複雑ですが、大きく分けると以下の2つの壁に分かれます。
①週20時間以上働く場合(勤務先が従業員51人以上)
勤務先の社会保険に加入し、保険料を勤務先との折半(半分ずつ)で負担します。
②年収130万円を超える場合
自動的に配偶者の扶養から外れる仕組みのため、自身で社会保険に加入する必要があります。勤務先の社会保険加入要件を満たしていれば健康保険・厚生年金保険に加入しますが、加入要件に達していない場合は、自分で国民健康保険・国民年金に加入します。この場合、保険料の全額を自分で負担します。
年収の壁を超えて手取りが減っても長い目で見たら損ではない
社会保険に加入すると、毎月の手取りは保険料の分だけ減ります。例えば、同じ月給98,000円で働く場合、社会保険の扶養内で働く人と勤務先の社会保険に加入する人では、手取り(概算)に以下のような差が生じます。
・社会保険の扶養内で働くAさん
手取り97,500円(負担は雇用保険料500円のみ)
・勤務先の社会保険に加入するBさん
手取り83,500円(負担内訳:健康保険料5,000円、厚生年金保険料9,000円、雇用保険料500円)
AさんとBさんでは手取りに約1.4万円の差が生じます。「子どもが不在の時間帯だけ働きたい」と考える方にとって、社会保険料の負担で手取りが減ることに抵抗を感じるのも無理はありません。
しかし、Bさんが負担する保険料は、将来のもしものときに保障を受けられる権利に変わっています。具体的には、社会保険に加入することで次のようなメリットがあります。
・厚生年金に加入でき、将来受け取る老齢年金が増える
・障害厚生年金や遺族厚生年金などの保障が上乗せされる
・健康保険の傷病手当金や出産手当金を利用できる
つまり、今の手取りは減ったとしても、将来への備えを自分で用意できるようになるのです。
まとめ|年収の壁は「将来」も考えて判断しよう
年収の壁を意識するあまり、働く時間を無理に抑えてしまう「働き控え」は、今の収入が増えないだけでなく、将来受けられる年金や保障が少なくなる可能性があります。
もちろん、子どもの年齢や家庭の事情によっては、扶養内で働く選択が適している場合もあるでしょう。しかし、目先の手取りだけではなく、将来受けられる保障も含めて考えることが大切です。
少し手が離れてきたら社会保険の壁を気にせず勤務時間を増やすなど、ライフステージに合わせて働き方を柔軟に見直していけるとよいですね。将来を通じて損をしない働き方をめざしましょう。
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